一年前にあいりん地区へ訪れたときのことを振り返ってみた。

こんにちは、うぃーんです。

 

なかなか厳しい状況が続いていますね。

まさか2020年がこんな年になってしまうとは...全く年始には想像もしていませんでした。

本来であれば、今年はいろいろと楽しい計画がありました。全国の神社巡りやタウシュベツ川橋梁(北海道)への旅行などなど...残念ながらコロナ禍で実現することはできませんでした。今後、この野望を叶えられる状況が整うことを祈り、今は耐え忍ぶしかないですね。

 

余談とも言い難いですが、私は本年度で学生生活を終えます。

終える前に...と、前述した旅行もそうですが、他にもやっておきたいことがあります。

その一つとして、最近はここ10年のファイル整理をしています。ガチで気が遠くなる量で、比較的に自由に時間が使える学生のうちにやらないとなぁと整理を進めています。

 

そんなファイル整理をしていて、一年前にあいりん地区を訪れていたことを思い出しました。

それに付随し、Twitterこう発言しておきながら、全くまとめていなかったことも...。(一応、予防線は張っていたみたいですが。)

良いタイミングなので、当時の記憶を思い出しながら振り返ってみることにします。

 

 

※「あいりん地区に行きたい」という方に向けての記事というよりは、「私の記録」として書きますので、多くの余談と主観が含まれます。その性質上、あいりん地区の実態を知りたい方にはそぐわない内容の可能性があります。ご了承ください。

 

 

事前調査は徹底的に

あいりん地区について知ったのは6年前です。大阪府の観光地について調べていたところ、偶然あいりん地区と呼ばれる場所が存在することを知りました。

当時は未成年でしたので、無茶をしても周りに迷惑がかかってしまうかなぁ、と考えて、訪れることを断念しました。

ただ、独自の文化、アンダーグラウンド感に衝撃を受け、「いつかはこの目でみるぞ。」と胸に秘めておくことにしました。

 

時は流れて、2019年11月23日に訪れるきっかけができました。

この日に大阪での用事ができたのです。それを済ませた後、あいりん地区を散策し、ドヤ*1に一泊しようと、密かに計画し始めました。

そうとなれば、インターネットを使った事前調査です。

もちろん、調べたうえで行かないという選択肢もありました。

 

インターネット以外にも、大学内の友人から貴重な情報を得ることができました。

友人は、あいりん地区のドヤに何度も泊まっている強者(?)のようです。

あいりん地区について実体験を交えながら*2教えてくれました。

 

そのうえで、ドヤについては、ホテル新今宮を薦めていただきました。

このドヤのことは事前調査で存じておりました。何事もなく安全に泊まれたことでしょう。

ただ、私は既に新光に泊まりたいなぁと思ってたので、友人に新光についても聞いてみました。

  • アルコールティッシュを買っていこう!
  • 臭いとトイレ以外は大丈夫!
  • シーツはちゃんと洗ってある!

これを聞いて安心しました(?)。友人が実際に泊まった話を聞けたので、宿泊するドヤは新光に決定しました。(新光がいいなぁ、と思った理由については次々章にて。)

 

また友人は、あいりん地区の魅力について「あいりん地区は、最低限文化的な感じがあって良い。」と、一言で述べていました。

 

こうした事前調査を通し、あいりん地区に訪れることを本決定。

 

あいりん地区に訪れる前の行動

あいりん地区を訪れる前、就活イベントに参加しました。

この用事がなければ、まだあいりん地区を訪れていなかったかもしれません。(今年は難しかったでしょうし。)

この就活イベントには、ビジネスカジュアルな服装で参加しました。

...それを踏まえ、就活イベント時に背負っていたリュックをご覧いただきましょう。

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恥ずかしいくらいのパンパンのリュック

前述したとおり、就活イベントはビジネスカジュアルでしたので、あいりん地区へ向かうためには動きやすい格好に着替える必要がありました。ほとんどその準備のせいで、リュックがはちきれんばかりのパンパンな姿になってしまいました笑

 

就活イベント終了後、将来の自分を思い描きながら、ふわふわ~と大阪駅に向かいました。

大阪駅で軽く昼食を済ませて、悪目立ちしない格好に着替えました。リュックも落ち着いた色のもの、靴も動きやすいものにチェンジしました。

そして、現金は最低限こまらない分だけを持ち、カード類も免許証(身分証明の役割)のみにしました。

不必要なものを預けるためにロッカーを探すことになりましたが、これがすぐに見つからず...。

結局2時間くらいかかり、あやうく心が折れそうになりました。

 

いざあいりん地区へ

大阪環状線を利用し、16時30分頃に新今宮駅へ到着しました。

11月下旬の夕方でしたので、到着時点でそこそこ暗かった記憶があります。

さっそく散策をしたいところでしたが、泊まれずに慌ててしまうことを危惧し、まっすぐ新光に向かうことにしました。

とはいっても、新光に向かうまでの道は既にあいりん地区。新光を目指した時点で散策は始まりました。

 

基本的に屋外に関する写真等の記録はしませんでした。これまでに様々な方があいりん地区を訪れ、写真や動画で現状を発信されています。ですので、私は目で見て記憶に残すことに専念しました。

あとは、あいりん地区に住んでいる方々に対する私なりの敬意と配慮です。

唯一屋外で撮影した写真を、以下に掲載しておきます。

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あいりん地区 散策での一枚

 

ドヤに到着

これがあいりん地区かぁ、と脳内で事前に調べていた情報と照らし合わせながら雰囲気を楽しみつつ、新光を目指しました。

ぐるぐる見て回って、結局20分くらい歩き、たどり着きました。

 

 

とうとう来たちゃったー、とドキドキしながら扉を開くと...?

そこにはワンちゃんが受付!...ではなく、おばあちゃんが受付をしてくれました。

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新光 入口

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新光 受付

チェックインに必要だったのは、現金1,000円と苗字のみ。

その手続きを終えると、「3-17」と書かれた紙*3を渡されました。部屋番号ですね。

また受付時に、利用するのは初めてだ、と伝えていたので、奥にいた気さくなおっちゃんに新光を案内していただきました。このおっちゃんが登場(?)することは、事前調査どおりでした。

シャワーやトイレの利用方法、門限、門限外での出入り方法などを丁寧に説明していただきました。

館内の様子は...まあ確かにボロいかも。階段にものすごく違和感を感じたことは覚えているのですが、低かったのか、もしくは高かったのかは忘れてしまいました。

あとは、自分にはさほど問題ありませんでしたが、天井は低かったような気がします。背の高い人だったらぶつかるだろうなぁ、という場所がいくつかありました。

 

さて、おっちゃんと軽い話をしながら3階の17号に到着しました。

おっちゃんにドアを開けてもらい... 念願のドヤとご対面! あれ?そこまで嫌な感じはしないぞ。

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ドヤと初対面

おっちゃんは、部屋に入ると冷蔵庫とテレビの使い方を教えてくれました。また、私が石川県から来たということを伝えると、バイクで能登半島を観光したことあるよー、など30年くらい前の話をしてくれました。自分もいつか、数十年前の話を語れるようになるのかなぁ、とおっちゃんの話を聞きながら思っていました。

一通り話しを終えると、ごゆっくり〜、と案内を終えて戻ってしまいました。気さくでいいおっちゃんでした。

 

緊張から解かれ、プライベートな空間の出来上がりです。あらためて見回してみましょう。

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ドヤとリラックスする私

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ドヤの窓とテーブル

やっぱ悪くないです。シーツは綺麗でしたし、備品も問題なく使えました。畳もそこまで抵抗を感じるほど汚れていません。

もしかすると、田舎に住むばあちゃんの家に似ているというのもあったかもしれないですね。

ちなみに、泊まるドヤを新光に決めた大きな理由は、バーチャルYouTuberの『日雇礼子のドヤ街暮らしチャンネル』にて、新光が紹介されていたからです。

www.youtube.com

私は、彼(女)をデビュー時から追い続けていて、もちろんあいりん地区を取り上げていることもありますが、デビュー時の2018年3月頃は現実とガチガチにリンクしたバーチャルYouTuberは少なかったです。そういった新しさから目を付け、いまも注目し続けています。

この計画を立てるうえで、日雇いお姉さんの動画はかなり参考にしました。新光の動画以外にもあいりん地区の紹介、ディープなところの紹介をしているので、気になった方はチャンネルを覗いてみてください。

 

スーパー玉手で夜ご飯の準備

 

さて、寝床も確保できましたので、散策と夜ご飯の買い出しへ行ってみましょう。

事前に目星をつけていたスーパー玉手へ、Google マップを駆使してたどり着きました。

私は玉手については全く撮影をしなかったので、様子を知りたい方は以下の方の記事を覗いてみてください。この記事を書くにあたり、あらためて下記のサイトを検索しなおしたわけですが、こんなんだったなぁ、と懐かしい気持ちになりました。

maeharakazuhiro.com

 

なんやかんや歩いたり、頭を使ったりしていたので、身体がエネルギーを欲していました。食べたいものをとにかく買い物かごにぶち込み、会計後リュックの中はぎゅうぎゅうに。

 

店を出たタイミングで、父親に居場所を電話で報告した覚えがあります。

普段、父には電話をすることはほぼないのですが、一応何かあった時のため知らせました。母の耳に入るとものすごく心配をしてしまうので、一応秘密にしてくれ、と頼んでおきました。その他ドヤに関する話*4を少ししました。

電話の切り際に「気を付けろよ~。」と言っていたのが、印象に残っています。

 

若干エモい気持ちになりながら、リュックに夜ご飯を隠し、暗い夜道を散策しながら新光に戻ってきました。

さぁ、テーブルに買ってきたものを並べたら、パーティ(?)の始まりです。

 

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食いすぎ

はい、食いすぎです。この他にもポテチとプリンとスーパードライを何本か買いまして、あまりにも恥ずかしいと思ったのか撮影していません笑

 

ただ冷静に当時の心境を振り返ると、無事にあいりん地区を散策することができるのか?新光に泊まれるのか?という緊張は大いにありました。

そこから解放されたことで食欲がバカになっちゃったのでしょうね。

 

満腹感とアルコールによる幸福感に浸りながら、SNSを更新しました。

そして、事前調査でお世話になった友人にも、無事ドヤに潜伏しているよ、とLINEを送りました。

あと母さんには、ケチらずに良いホテルに泊まってるぞ、と嘘の連絡をしましたね。(本当のことを話したのは、実家に帰ったときだったので、2か月くらい内緒にしていました。)

 

そして、今日のあいりん地区のことと就活イベントをノートに書きまとめ、午前と午後にやっていたことのギャップ(?)で笑い、今日は充実した一日だったなぁ、と布団を広げるのでした。

 

寝る前に荷物をまとめ、貴重品は万が一のために肌見離さず持っておくことに。

あ、寝る前にトイレトイレ。...床のすのこはバキバキだけど、トイレ自体はそんなに不衛生でもないなぁ。

そういえば、シャワー浴びれなかった*5から、ボディーシートで身体拭かなきゃ。

 

部屋の鍵がきちんと施錠されていることを確認し、電気を消しておやすみなさい。

 

 

翌日

確か、自然と目が覚めたのは8時台。

何事もなく、無事に起きれた~、というのが正直な感想。

 

朝から早くから営業している銭湯を調べ、 ドヤに忘れ物がないことを確認し、新光を後にしました。

朝の新光にはエネルギーを感じました。昨日見た暗い新光とはかなり印象が違いましたね。またもう一回くらい泊まりに行きたい。

 

その後、朝のあいりん地区*6を散策し、銭湯、新世界、阿倍野、難波を満喫して、一泊二日の旅行は無事に幕を閉じたのでした。

 

まとめ

一年前に訪れたあいりん地区について、記事にまとめてみました。

長年、思い続けていた場所だったので、いい機会に巡り合い、訪れることができてよかったです。

一年前の時点でもあいりん地区は、かつてのスラム街と呼ばれたころより、間違いなく変わりつつあると、事前調査の情報と比べて思いました。

これは良い悪いの話ではなく、時代にあわせて変わっていくのは、あいりん地区も例外ではないようです。

そういった意味で、2019年11月のあいりん地区を見ることができて良かったです。

果たして、次に訪れたとき、あいりん地区はどのように変化しているのでしょうか?

 

そして、私自身も変わり続けるはずです。

このたび、事前調査でお世話になった方々、あいりん地区で出会った方々、そして私を支えてくださっている方々、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

さらに、直接かかわりのない方々にもそれぞれ人生があり、世界は動いているんだ、と自分とは直接関係のない場所を少し意識するようになりました。

 

この先、自分がどんな人生を歩み、周りにどんな影響を及ぼすのかは分かりません。

一言でいうならば、楽しみです。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。 

*1:宿の逆さ言葉。

*2:私の実体験ではないので、情報を発信する者の責任として、ここには書かないことにします。

*3:裏面が無地の大きいカレンダーを小さく切ったもの。

*4:父はドヤと聞くと東京都の山谷(『あしたのジョー』の舞台)が思い浮かぶそうです。

*5:真空パックに入れてきたタオルと一緒に、何故かカメムシが同行していました。臭くて使えなくなってしまったので、タオルはお別れしました。

*6:朝のほうが、おしっこ臭いところが多かったな。